二輪免許取得への道 その1
いい加減放置しっぱなしのところへいきなりこんなことになっていた。ちなみに俺には二輪の需要は全く無い。なのになんでこんなことになってるのかと言えばこれはもうどうしようもない運命によって、とでも言うしかない。違う言い方をすると業務命令とも言う。
というわけで今日が入校日だった。にしても自分の職場に生徒として入校する日が来るとは。予想してたけど。同僚やら先輩やらの面白がる視線が痛い。こっち見んな。とりあえず職員特権とでも言うべきか入校説明はスルーしてK2(適性検査)の時間に合わせてひょこひょこ職場に到着。それにしても見知った顔相手に適性検査をやるのはどうにもやりにくくて仕方ない。ちなみに覚えてないだろう人のために適性検査とは何かテキトーに説明すると、制限時間2分以内にひたすら偏執狂的に三角形を書きなぐったり引き算やったり心理テスト的な質問にイエスノーで答えたりして結果から被験者の性格や運転傾向を探る、みたいなアレ。「いつもどこからか人の声が聞こえてくる」「死にたいと思うことがよくある」「誰かが私を陥れようとしている」みたいなヤバげな設問にイエスと答えてやろうかとか一瞬思ったが、真面目にやらなかったことが即バレなので自重する。
んでもって二輪初体験の時間。とうぜん指導員も知ってる人間。まあそういう意味では気楽は気楽でいいんだけど。とりあえず死角特性やら操作説明やらを聞いて、早速スタート。まずはスタンドの解除の仕方、起こし方といった基本中の基本。で早速バイクをすっ倒す俺。中型二輪とはいえ燃料満タン状態で200㌔近いシロモノなので、ちょっとバランスをミスると全く支えられない。死にそうになりながら引き起こしにトライ。
重っっっ!
いやまあなんとかなったんだけど。早々と心が折れそうになるも、気を取り直して跨ってみる。が、今からコイツを自分が操縦するというのが悪い夢にしか思えない絶望感。二輪の乗り物なんていままで自転車か、せいぜい原付を(無免で)ちょろっとしか乗ったことがない俺のような人間からしたらありえない重量感。
当然だがMTの二輪の操作は両手両足を使わなければならない。俺の周囲には二輪免許を持ってる人間なんぞ皆無なため一応ここで説明しとくと、まず自転車やら原付やらでブレーキに相当する左右のレバーの内、左側がクラッチ、右側が前輪ブレーキに相当する。でMT車のシフトに相当する部分が左足ステップ前、後輪ブレーキが右足ステップ前についてる。つまりギアチェンジ操作を左半分で、減速、停止を右側半分で操作することになる。て頭では分かってるんだけどいざやってみると予想通り上手くいかない。つい左右同時にレバーを握り締めてしまうこと多数。原付なんかだと足は全く使わないんで、なまじ経験があるせいで相当戸惑う。またシフトも踏み込んだ一番下がロー、んで一個上につま先で跳ね上げてニュートラル、さらに上に行くにつれセカンド、サードみたいな感じ。俺は両足踵を地面に付けた状態で座れない足首ガッチガチ人間なので、この操作がなかなか上手くいかない。つかニュートラルに狙って入れられず、セカンドに放り込んでばっか。ちなみにこの操作練習は当然センタースタンドを立てた状態(つまり停止状態)で行っており、こんなんでホントにまともに走れんのかと不安ばかりが募る。とはいえ走らんと始まらんわけで、恐る恐る発進してみる。さすがに普段MTのクルマに乗ってるので、幸い理屈は分かってる。スロットル廻し過ぎ(クルマで言うところのアクセル踏み過ぎ)というお約束をいちいちこなしつつもトライ。
・・・あれ?普通に発進できた。つかクルマほどトルクが弱くない。これならイケんじゃね、と少し早めにクラッチを繋いでみる。いけた。すっごいフラフラしてるけど。シフトチェンジもやってみる。右手(スロットル)を緩めて左グリップを握りこんで左足つま先でシフトペダルを跳ね上げて左グリップを緩めてといった動作を頭の中でシミュレートしながらこわごわ。いけた。おお。
とここまでやったところで指導員(先輩)が、「んじゃコース廻るから」と一言。マジかよ、と思うまもなくさっさと行ってしまった。なかば死ぬ気でスタート。
絶対転倒、全身強打、骨折の3連コンボが待ち受けてると思いきや、なんだかんだで普通に走ってた。うん。走り出してしまえば安定するのは当たり前ですな。ただ慣れてないんで現在自分がどのギアで走ってるのかよく分かりません。ただそれもひたすら走ってるうちになんとなく感覚で分かってくるのが実感できる。この辺は普段MT車に乗ってるという経験値があるのはデカい。
その後は低速で走行、後輪ブレーキのみでの停止、コース内の交差点走行とか場内をひたすら走り回って終了。とりあえず理解したのは、まだ全然後輪ブレーキ、つまり右足ブレーキが上手く使えないということ。今までの人生においてこうした操作を必要とする乗り物にのったことが無いから当然だが。これは慣れるしかないか。
というわけで初回で大怪我、即入院というバッドエンドは回避できた。つか意外と走れるもんですな。教習終了後の先輩の「普通」という一言でかなり調子に乗った。絶対二輪センスなんぞ皆無だと思ってた俺からしたら最上級の褒め言葉。
全力で嫌々ながら始めた二輪教習だが、コレは意外と何とかなるかも知れず。その内「風と一体になって走るヨロコビ」とか言い出すと予想しておく。まあ確立は半分もなさそうだが。
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